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歴史


 1967年の創業以来、生活する上で欠かせない「食」に関れてきたことは、この上ない喜びと感じています。振り返ると私は、北岸冷凍合資会社を立ち上げる前から「食」一筋に歩んでまいりました。私は上原家の長男として喜界島で生まれ、小学校6年生の時に漁師の街で知られる沖縄県糸満に移ってきました。戦後間もない当時、毎朝3時に起きて近所のかまぼこ工場に出かけ、かまぼこを自転車の荷台に積み、コザ(現在の沖縄市)あたりまで配達をしていました。食糧の乏しい時代にあって、私の朝食替わりでもあったできたてのかまぼこの味は今でも忘れられません。両親は、現在の糸満ロータリー付近でマチャーグワー(小さな売店)を営んでいました。「新幸地売店」です。缶詰めや米、そして、豚の飼料としてバラカス(大豆の搾りかす)などを販売していました。当時はどこの家でも豚を飼っていましたので、このバラカスがよ
く売れました。私は長男でウーマクーだったこともあり、両親は「早くから社会に出そう」と、15歳のときには丁稚奉公として那覇に出されました。その後、17歳には米の卸業として独立し、南部一帯をまわりお米を卸していた時期もありました。

 初めは倉庫業をするつもりで那覇市泊に土地を購入し、冷凍・冷蔵倉庫を作ったのがきっかけでした。そのうち冷凍庫を借りていた企業が自社で冷凍庫を持ってしまい、その冷凍庫を活かすためにはと考えたのが魚の卸を行う北岸冷凍の始まりです。そして食糧が少なかった沖縄に本土から冷凍食糧を輸入しました。当時は本土復帰前。北岸冷凍は輸入業者として起こした会社です。本土から輸入したものは、サンマやサバ、イカなどの冷凍魚です。今でこそ栄養価の高い青魚と言われていますが、当時は、ただ安く大量に手に入る食糧のひとつ。通常の輸入はコンテナが主でしたが、より多くの魚を輸入しようと三陸地域から船をチャーターしたこともありました。

その後、本土復帰を経て、日本はもとより、海外からも食糧が入ってくるようになり食糧の供給も安定してきた頃、ふとあることに気がつきました。食の欧米化です。昔ながらの沖縄の家庭料理が失われていく中、沖縄県民が食べるものは自分たちで作るべきではないか。自分たちで作るということは雇用にもつながる。そのためにはブランドを作らなければいけない。そう思い社員に呼び掛けたのですがこれといったものが出てこない。そんな時、車を運転していてふと思いついたのが「アンマー」という言葉でした。アンマーとはウチナーグチでお母さんのこと。シンプルで分かりやすく、万国共通で親しみやすい。「これだ!」とピンときました。そして出来たのが、バーキ(かご)を頭の上に乗せたアンマーのキャラクターです。糸満では、男は海に出て漁をする生産者だとすれば、夫の捕ってきた魚を買い取り売って歩くアンマーは、財布を握る大蔵大臣であり流通業者の役割も担ってきました。アンマーは強く、たくましく、そして、やさしく、あたたかい。まさに私の母そのものでした。小学生の頃、学校から帰ってくると、ただいまの代わりに「アンマー」と言いながら帰宅した記憶があります。アンマーそのものが家庭だったのです。だからこそ「アンマー」ブランドに私の食への思いを込めました。アンマー印のブランドを作ると同時に生産工場も建て、仕入れ販売業から加工業へと事業も拡大し、手始めにかつお削り節を手掛けました。

 沖縄の食文化の乱れが原因のひとつで“長寿の島・沖縄”が崩れかけている今、アンマーが家族の健康のために作ってくれた栄養バランスがとれた昔ながらの沖縄伝統食を見直すときがきていると思います。人間の体を作っているのは「食」です。沖縄は、フコイダンを豊富に含むスヌイ(もずく)などの海藻や、アミノ酸を豊富に含むかつお節、太陽をいっぱいに浴びた島野菜などの体にいい食材を使用して、自らの体を作ってきました。沖縄家庭料理のチャンプルーは、豆腐や島野菜などを使うため栄養のバランスが良く、一度の食事で多くの野菜を摂取できる理想的なメニューです。

 

こうした中当社では、スヌイ(もずく)を素材とする商品開発にどこよりも早く取り組みました。スヌイ(もずく)は低カロリーで、ヌルヌル成分には健康にいいといわれるフコイダンを多く含んでいることも分っています。また製品の安全性や安定供給の向上を目的に、2004年にアンマー農産設立、2010年にはスヌイ(もずく)の一次加工場として石垣工場が完成しました。さらに沖縄の伝統食を全国へ広める第一歩として、2008年には栃木県日光市に工場が完成し、関東中心に販売する島豆腐、ジーマーミとうふ、スヌイ商品の製造をしております。琉球料理を全国そして世界へ発信していく想いとともに、伝統料理を次世代へ継承していけるよう、沖縄の大切な「食」という宝をしっかりと育てていきたいと考えております。

株式会社ホクガン

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